■地図調製技術協会 会長就任のご挨拶■
このたび、一般社団法人地図調製技術協会の会長に就任いたしました田中尚行でございます。
当協会は令和7年度より、若返りを図った執行体制のもと、新たに「総務委員会」「技術委員会」「企画・広報委員会」の三委員会制を導入し、より機能的かつ戦略的な協会運営を開始いたしました。これにより、地図業界全体の課題解決価値創造に向けた取り組みを、会員各位とともに着実的に推進してまいります。
近年、地理空間情報を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。国土地理院による「3次元電子国土基本図の全国整備」や、3次元データを基軸とする建設生産・管理システムを実現するためのBIM/CIMの取り組みの推進、AI・IoT・クラウドといった先端技術との融合は、地図調製の在り方を根本から変えつつあります。
一方で、Google等による無償地図サービスが広く普及する中、私たち地図専門サービス会社は、単なる地図提供ではなく、「正確で責任ある空間情報」「地域に根ざした価値ある地図づくり」という本来の使命を再定義し、「いい地図を作る」だけでなく、「いい使われ方までデザインする」、その重要性を社会に発信していく必要を強く感じています。我々は、地図および空間情報の専門技術者集団として、以下の重点方針を掲げて、協会の新たな一歩を踏み出します。
1.高度化・複雑化する空間情報への対応力の強化
3D地図、BIM/CIM、AI解析など、先端技術に対応した調製技術の標準化と研鑽
2.SDGs・ESG経営への業界としての戦略的対応
会員各社が持続可能な経営を実現するための支援やガイドラインの整備
3.社会実装と公共的価値の発信
教育、防災、まちづくり等、国民生活に密接した領域での活用促進と信頼の構築
当協会は、「技術を磨くだけでなく、社会とつながる」ことを一層重視し、地図業界の未来に資する活動を展開してまいります。会員の皆様、関係団体、官公庁、教育・研究機関、そして地域社会の皆様と手を携えながら、地図および空間情報が支える持続可能な社会の実現に向け、協会として責任ある歩みを進めてまいる所存です。
今後とも、地図調製技術協会の活動にご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和7年7月7日
一般社団法人 地図調製技術協会
会長 田中 尚行
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